2000試合目の”伝統の一戦”

巨人の1094勝835敗

5月15日の巨人対阪神(東京ドーム)の“伝統の一戦”は2000試合目のメモリアルゲームだった。巨人が5-3で勝ち、通算の対戦成績を1094勝835敗71分けとした。1936年(昭和11)年7月15日に名古屋・山本球場で初対戦以来、1959年のプロ野球初の天覧試合など、これまで数々の名勝負を演じてきた両チーム。巨人の原辰徳監督はプロ入り2年目の1982年、後楽園球場で行われた1000試合目の対戦に5番・三塁手として出場。2-1の五回に勝敗を趨勢を決める3ランを放っている。

阪神委縮“眠りネコ”

この試合で阪神は度重なるミスで自滅。翌日の朝日新聞(4月19日付)に「阪神委縮“眠りネコ”」という見出しの記事が掲載された。「ここ一番になると腰くだけになる『阪神症』は、いまに始まったことではない。(中略)『オレ一人でも』と、ガッツをむき出しにする選手が見当たらないことだ。阪神ファンには、藤村、村山の姿がただたまらなく懐かしく思い出されただけの巨人-阪神千試合目だったに違いない」と酷評を浴びた。

意地と意地との激突

2000試合目の対戦では、原監督は一回二死一、三塁、5番打者ジャスティン・スモークのところで重盗を敢行。九回には“一人一殺”の必死の継投を見せるなど、この試合にかける意気込みを示した。阪神も敗れはしたが、意地を見せた。五回にスモークに逆転3ランを浴びるも、六回以降巨人打線を零封。攻撃陣は九回に一死満塁のチャンスをつくり、最後まで食い下がった。新人・佐藤輝明は4番に座り、二塁打3本で3打点。チームの全打点を挙げる躍動を見せた。

優勝の行方を左右する” 猛虎魂”

1リーグ時代は東京対大阪という構図の下、プロ野球の覇権を争い、互角の対戦成績を残した。2リーグになってからは、阪神の巨人戦でのシーズン対戦成績の勝ち越しは、62年の2リーグ制下での初優勝時まで待たなければならなかった。86年~02年は17年連続で負け越すなど、対戦カード勝ち越しは07(平成19)年が最後と、“伝統の一戦”とはいえ、阪神には分の悪い状態が続いている。今季は6月18日の直接対決で阪神が勝ち、巨人は3位に後退。ゲーム差は8.0まで開いたが、8月29日に首位陥落。ゲーム差では巨人、ヤクルトを上回るも、勝率で3位に落ちた。シーズン序盤の阪神の勢いに陰りが見えている。今季の対戦成績は巨人の8勝7敗とほぼ互角に渡り合っているが、かつてチームの先輩たちがグランドで見せた“猛虎魂”をいかに持てるかが、優勝の行方を大きく左右するのではないか。

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