オリックス、本拠地開幕ダッシュ!

4月は首位
 WBCでの疲れか、エースの宮城大弥が1回2/3を8失点(自責点2)と早々とKOされ、本拠地での開幕戦を落としたオリックス。今季は幸先の悪いスタートとなったが、その翌日、開幕投手候補だった九里亜蓮が完封勝利を挙げ、そこから京セラドーム大阪で球団記録となる11連勝を飾った。4月終了時点で17 勝10敗。2位ソフトバンクに2.5ゲーム差をつけ、首位に立った。

投の立役者はエスピノーザ
 本拠地での快進撃の”投の立役者”は、アンダーソン・エスピノーザだ。母国のWBC戴冠の流れに乗り、今季初登板のベルーナドームの西武戦で来日初完封を飾ると、以後本拠地で3連勝。4月は4試合に先発し全勝、被本塁打ゼロで防御率0.62と抜群の安定感を誇った。3、4月度月間MVPは西武・平良海馬(2勝、防御率0.49)に譲ったが、オリックス先発陣の屋台骨を支えた。九里はホームでは2試合に先発し2勝(防御率2.12)。ビジターでは3試合に先発し2敗(防御率5.74)。九里は昨季も京セラドームで8勝1敗(防御率1.06)と本拠地のマウンドを得意にしている。

打の立役者は西川
 ”打の立役者”は西川龍馬だろう。ビジターでは13試合に出場し、52打数12安打(打率2割3分1厘)3打点。ホームでは14試合中13試合で安打を記録、複数安打を5度、猛打賞を2度マーク。55打数22安打(打率4割)9打点、出塁率4割2分1厘と打棒が爆発した。4月9日のロッテ戦では、オリックス入団後では初となるサヨナラ打を放つなど主に3番打者として勝利への貢献度は大きかった。

覇権奪回への鍵
 渡部遼人、中川圭太、宗佑磨も本拠地で躍動した。渡部は29打数14安打(打率4割8分3厘)、出塁率5割3分1厘。中川は32打数13安打(打率4割6厘)、出塁率4割5分7厘。宗は39打数12安打(打率3割8厘)、出塁率4割6分。ファンの声援の後押しを受け、本拠地でどれだけ貯金を稼げるかが3年ぶりの覇権奪回への鍵となるかもしれない。

ベネズエラ初V 第6回WBC

多彩な攻撃
 前回王者の日本を破って、勢いづいたベネズエラ。WBCでの最高戦績は2009年の4強だったが、準決勝で1次ラウンドで米国を倒したイタリアを、決勝では前回大会の準々決勝で敗れた野球の母国に雪辱し、初の栄冠に輝いた。一次ラウンドではチーム本塁打は5本(決勝トーナメントに進出したチームの中で6位)と少なかったが、準々決勝では3本、準決勝と決勝では1本ずつと本塁打で効果的に得点を重ねた。大技だけでなく、小技も駆使した。準決勝のイタリア戦の初回、日本戦で追撃の2ランを放ったマイケル・ガルシアがセーフティーバントで出塁し、次打者のときにエンドランを敢行。結果は中飛併殺に終わったが、機動力もあるぞというところを見せた。1点を追う五回、無死一塁からジャクソン・チューリオが犠打でチャンスを広げた。いずれも得点にはつながらなかったが、攻撃は多彩だった。1次ラウンドで成功させた7盗塁は、決勝トーナメントに進出したチームでトップだった。

スモール・ベースボール
 決勝戦は三回にガルシアの犠飛で先制。五回には日本戦で逆転3ランを放ったウィルヤー・アブレイユがソロ。リードを2点に広げたが、八回にそれまで5試合に登板し無失点だったアンドレス・マチャドが痛恨の被弾。試合は振り出しに戻り、流れは米国へと傾きかけたが、ここからがベネズエラの真骨頂だった。九回、先頭打者のMLBで3年連続首位打者ルイス・アラエスが四球を選ぶと、オマール・ロペス監督は代走に地元マイアミ・マーリンズ所属の新鋭ハビエル・ソノハを送る。4番エウヘニオ・スアレスのときにソノハは二盗を試み、巧いスライディングでタッチをかわす(チャレンジの結果はセーフ)。そしてスアレスが適時二塁打。日本のお株を奪うようなスモール・ベースボールを実践し、1安打で決勝点を奪った。延長でのタイブレーク制を見据えて早めに仕掛けたロペス監督の勝負眼も光った。攻撃面だけではなく、大会を通じて1失策だった堅守も特筆に値する。

国難にチームが結束
 ロペス監督は今大会で政治に関することに触れることを避けたと報じられた。年始のトランプ政権によるベネズエラへの大規模攻撃、同国からの渡航禁止令が発令されている状態で、主力選手の辞退が発生したもようだ。同監督の〈三千万に迫る人口の全員が我々の勝利を望んでいる〉との趣旨の発言は同国民の心情を代弁したものであっただろう。前回大会までのベネズエラは”自分たちの野球”をやっていた印象があるが、今大会は”勝つための野球”を徹底した。国難に選手の結束が固まり、チームがひとつになった末の戴冠だった。