西武、交流戦初制覇

史上最高勝率
 6月16日の阪神戦。今季から加入した桑原将志の適時打で五回に挙げた虎の子の1点を先発・武内夏暉から4人の継投で守り切り、パ・リーグの球団で唯一交流戦の優勝がなかった西武が栄冠に輝いた。交流戦に入り水を得た魚のように白星を重ねるソフトバンクと交流戦で9連勝と猛チャージをかける日本ハムを14勝3敗1分け(8割2分4厘)の交流戦史上最高勝率で振り切った。 

土俵際でうっちゃる
 5カード目が終わった時点で、トップは13勝2敗(8割6分7厘)のソフトバンク。西武は12勝2敗(8割5分7厘)の2位だった。6カード目はソフトバンクは7連敗中のヤクルト。西武は交流戦期間中にセ・リーグ首位に立った巨人との対戦と雨で順延になった阪神との1試合を残していた。ソフトバンクが有利な形勢だったが、土俵際でうっちゃった。  

MVPは長谷川
 MVPは敦賀気比高から育成ドラフト2位で2021年に入団した長谷川信哉が選出。育成出身選手では初の栄誉だった。最終戦で4打数2安打を放ち、打率を3割6分7厘とし、3割6分5厘の松本剛(巨人)を抜いて自身初の交流戦首位打者に輝く。出塁率4割1分5厘は3位。6月7日の中日戦は延長12回に勝ち越し本塁打。同月9日、10日の広島戦では2試合連続のサヨナラ打。3試合連続の決勝打という勝負強さを発揮した。加えて優勝がかかった阪神戦、三回二死二塁で森下翔太の一・二塁間の打球を横っ飛びで好捕し阪神の先制点を防ぐなど、外野手登録ながら一塁手もこなし攻守に躍動した。

初制覇の最大要因
 交流戦前までに断トツのリーグトップの防御率2.70を誇っていた投手陣は、交流戦でさらに凄みを増した。先発6人が3試合ずつ先発。平良海馬(交流戦2位タイの防御率0.86)、隅田知一郎(防御率1.38)、武内夏暉(防御率1.42)、髙橋光成(防御率1.54)が2勝。渡邉勇太朗(同2位タイの防御率0.86)、アラン・ワイナンス(防御率1.93)が1勝。先発がクオリティ・スタートを満たさなかったのはわずかに1度で、ハイクオリティ・スタートは10度。14勝のうち先発の勝利が10を数え、先発がしっかりと試合をつくったことが初制覇の最大の要因であるだろう。

7年ぶりのリーグ制覇へ
 昨季は平良、隅田、武内、髙橋、渡邉の5人がつくった借金は2だった(貯金をつくったのは最多セーブ投手賞の平良のみ)。今季、ワイナンスを加えた6人の先発陣はどれだけ貯金を稼ぐのか――。それは7年ぶりのリーグ制覇と密接な相関関係がある。

オリックス、本拠地開幕ダッシュ!

4月は首位
 WBCでの疲れか、エースの宮城大弥が1回2/3を8失点(自責点2)と早々とKOされ、本拠地での開幕戦を落としたオリックス。今季は幸先の悪いスタートとなったが、その翌日、開幕投手候補だった九里亜蓮が完封勝利を挙げ、そこから京セラドーム大阪で球団記録となる11連勝を飾った。4月終了時点で17 勝10敗。2位ソフトバンクに2.5ゲーム差をつけ、首位に立った。

投の立役者はエスピノーザ
 本拠地での快進撃の”投の立役者”は、アンダーソン・エスピノーザだ。母国のWBC戴冠の流れに乗り、今季初登板のベルーナドームの西武戦で来日初完封を飾ると、以後本拠地で3連勝。4月は4試合に先発し全勝、被本塁打ゼロで防御率0.62と抜群の安定感を誇った。3、4月度月間MVPは西武・平良海馬(2勝、防御率0.49)に譲ったが、オリックス先発陣の屋台骨を支えた。九里はホームでは2試合に先発し2勝(防御率2.12)。ビジターでは3試合に先発し2敗(防御率5.74)。九里は昨季も京セラドームで8勝1敗(防御率1.06)と本拠地のマウンドを得意にしている。

打の立役者は西川
 ”打の立役者”は西川龍馬だろう。ビジターでは13試合に出場し、52打数12安打(打率2割3分1厘)3打点。ホームでは14試合中13試合で安打を記録、複数安打を5度、猛打賞を2度マーク。55打数22安打(打率4割)9打点、出塁率4割2分1厘と打棒が爆発した。4月9日のロッテ戦では、オリックス入団後では初となるサヨナラ打を放つなど主に3番打者として勝利への貢献度は大きかった。

覇権奪回への鍵
 渡部遼人、中川圭太、宗佑磨も本拠地で躍動した。渡部は29打数14安打(打率4割8分3厘)、出塁率5割3分1厘。中川は32打数13安打(打率4割6厘)、出塁率4割5分7厘。宗は39打数12安打(打率3割8厘)、出塁率4割6分。ファンの声援の後押しを受け、本拠地でどれだけ貯金を稼げるかが3年ぶりの覇権奪回への鍵となるかもしれない。