2025年度現役ドラフト

投手は最少、外野手は最多
 12月9日に4回目となる現役ドラフトが開催された。今年度は2巡目は実施されず、12選手の移籍が決まった。投手の指名は過去最少の4人、外野手の指名は6人で過去最多だった。巨人と日本ハム、DeNAと中日、西武とオリックスはそれぞれ相手の球団から選手を獲得し、交換トレードと同じ形になった。

大化けの可能性を秘める
 指名された選手で、今季もっとも実績を残したのは佐藤直樹だ。報徳学園高からJR西日本を経て、ドラフト1位で2020年にソフトバンクに入団。今季はチームの外野手で2番目に多い104試合に出場。30得点、45安打、18打点、10盗塁、9犠打、13四球、打率2割3分9厘といずれもキャリアハイの成績を残したが、212打席で72三振と粗さが低評価につながったのか、球団の指名対象リストに名が挙がった。今季、二塁打が7本、三塁打が5本(長打率.410)と、長打力はあるだけに確実性を身に付ければ、大化けの可能性はある。同一リーグの楽天に移籍し、’’恩返しの活躍 “といきたいところだ。

昨年度現役ドラフトのMVP
 今季もっとも目覚ましい活躍をした昨年度の現役ドラフト移籍組は巨人・田中瑛斗と言って異論はないだろう。日本ハム時代の4年間は、主に先発として10試合に登板し1勝4敗。右肘を手術して育成契約から這い上がった苦労人だ。巨人ではセットアッパーとして勝利の方程式の一角を担い、同チームの投手陣では大勢と並んで2番目に多い62試合に登板し、1勝3敗36ホールド(防御率2.13)。37HPは阪神・石井大智と並びセ・リーグ4位タイだった。日本ハム時代は、持ち球のシュートを有効活用できていなかった。22年には18回2/3イニングで7死球と制球に不安があったのだろうが、今季は阿部慎之助監督も高く評価するシュートを積極的に活用し、大輪の花を咲かせた。”配置転換”に加え、”配球転換”が功を奏した。今季の6.2倍となる3,900万円増の年俸4,650万円で契約更改した。

シビアな現実
 今年も現役ドラフトで移籍したドラフト1位指名選手が戦力外通告を受けたり、自由契約になったといったニュースが流れた。第1回現役ドラフトで移籍した阪神・大竹耕太郎と中日・細川成也はコンスタントに成績を残しているが、同期でNPBで現役を続けているのは日本ハム・松岡洸希と3人のみ。環境を変えても結果は同じというシビアな現実も垣間見える。

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