効果的な本塁打攻勢
2018年以来、4年ぶり2度目の交流戦の優勝(勝率1位を含む)を飾ったヤクルト。5月24日の交流戦開幕カードの日本ハム戦、0-1から代打・内山壮真のプロ入り初本塁打で追いつき、1-1で迎えた延長11回に村上宗隆のサヨナラ本塁打で決着をつけた。翌日は4-6の九回に山崎晃大朗が”人生初の”劇的なサヨナラ3ラン。この2試合連続のサヨナラ勝ちで波に乗り、セ・リーグのチーム初の全カード勝ち越しで優勝に花を添えた。交流戦を通じて際立ったのは効果的な本塁打攻勢だった。チーム本塁打はトップの24本、最少の広島は2本。チーム得点はトップの78点、最少の広島は33点。交流戦最下位のチームと比較して、打線の破壊力と得点力の差は歴然だった。左半月板の手術で長期離脱を余儀なくされている昨季19本塁打のドミンゴ・サンタナの不在をまったく感じさせなかった。
交流戦MVPは村上
交流戦MVPに輝いたのは6本塁打(2位タイ)、13打点(3位タイ)、打率3割5分1厘(4位)、長打率7割2厘(2位)の村上。6月4日の西武戦では、1-2で迎えた6回に逆転2ラン。同月10日のソフトバンク戦では1-1の4回に敵軍のエース・千賀滉大から勝ち越しソロ。翌日の交流戦の優勝を決めた一戦では、3点ビハインドの状況での追撃の2ランに続き、次打席では嘉弥真新也から逆転満塁弾。村上封じに起用された変則左腕に今季初被弾をお見舞いした。村上が本塁打を放った5試合でチームは4勝と、勝利に貢献する打撃を披露した。塩見泰隆は5月27日の楽天戦で、3打席連続弾。攻撃陣のリーダー・山田哲人は計5本のアーチをかけ、チームを鼓舞。6月3日の西武戦では、小川泰弘が投げては8回無失点、打っては決勝ソロと投打にわたる活躍で1-0の接戦を制した。
球団2度目の連覇へ
交流戦で14勝4敗と「10」の貯金をつくり、交流戦の前後で2位巨人とのゲーム差を1.0から7.0に広げた。昨季は9月22日に初めて首位に立ったが、今季は早くも独走態勢を築きつつある。交流戦最後のカードでは、現在パ・リーグ首位のソフトバンクを3タテ。日本シリーズへ向け、縁起良く交流戦を締め括った。今季が3年契約最終年だった高津臣吾監督も契約を2年延長。球団もその手腕を認め、将来を見据えたチーム作りを委ねた。高津監督の恩師・野村克也元監督が指揮を執った1992、93年以来の球団2度目となるセ・リーグ連覇へ、視界は良好である。